家庭菜園

いんげんの種まき時期と気温別の最適スケジュール

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家庭菜園やプランター栽培でも人気のあるインゲン。特につるなし・つるありの両品種は、それぞれ特性が異なるため、栽培にはコツがあります。

この記事では、いんげんの種まき時期に関する基本情報をはじめ、種まきはいつまで可能か、地域や季節による違い、栽培を成功させるための摘心のタイミングなど、初心者にもわかりやすく解説していきます。

つるなしインゲンを効率よく育てたい方も、つるあり品種の管理に挑戦したい方も、この記事を読めばスムーズな栽培計画を立てられるはずです。

  • 地域や気温に応じた適切ないんげんの種まき時期
  • つるなし・つるあり品種ごとの栽培スケジュール
  • 高温期や3月・8月の種まきで注意すべきポイント
  • 栽培中の摘心や間引きのタイミングと管理方法

いんげんの種まき時期を徹底解説

いんげんの種まき時期を徹底解説
おーしん菜園
  • つるなしインゲンの種まき時期の目安
  • インゲンの種まきは3月でも可能?気温と注意点
  • つるありインゲンの種まきに適した気候
  • インゲンの種まきは8月でも間に合う?抑制栽培のコツ

つるなしインゲンの種まき時期の目安

つるなしインゲンの種まき時期は、気温と地域に大きく左右されます。一般的には、地温が15℃以上になってからが適期とされ、地域によって差はありますが、4月中旬から6月上旬が目安です。

この期間に種をまくことで、安定した発芽と生育が見込めます。特に注意したいのは、高温期に開花を迎えてしまうと着莢率(実のつきやすさ)が下がることです。夏場の開花を避けるには、7月中旬以降の播種は避けたほうがよいでしょう。

例えば、関東以西の温暖な地域では、4月中旬から5月中旬までがちょうどよいタイミングです。一方、冷涼地では5月下旬頃から始めるのが適しています。

また、つるなしインゲンは栽培期間が短く、種まきから収穫までおよそ50~60日程度です。そのため、少しずつ播種時期をずらしてまくと、収穫時期を長く楽しめるというメリットもあります。

ただし、つるなし種であっても生育中に過繁茂となり、つるが出ることがあります。その場合は早めの摘芯で草丈を抑えるようにしましょう。

インゲンの種まきは3月でも可能?気温と注意点

3月にインゲンの種まきを検討する場合、温度管理ができる環境であれば可能です。ただし、屋外での直播きにはまだ気温が低すぎることが多く、一般的にはおすすめされません。

インゲンの発芽適温は23〜25℃、生育適温は15〜25℃とされており、3月の外気温や地温ではこれに達しない地域がほとんどです。発芽率が低下するばかりか、地中の種子が腐る原因にもなりやすいため、無理に早まきすることはリスクが高いです。

このような時期に種まきを行う場合は、ポット育苗がおすすめです。加温できる環境下でポットにまき、20日前後で本葉が出る頃に定植することで、春先の冷え込みにも対応できます。

ただし、育苗中に水を与えすぎると発芽障害が起こることがあります。水やりは控えめにし、土の表面が乾いてから行うようにしましょう。

このように、3月の種まきは施設栽培や育苗前提であれば対応できますが、露地栽培ではもう少し暖かくなるのを待つのが現実的です。

つるありインゲンの種まきに適した気候

つるありインゲンの種まきに適した気候
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つるありインゲンを安定して育てるには、15~25℃前後の気温が続く時期が理想です。この温度帯であれば、発芽もスムーズで、生育も良好に進みます。

つるありインゲンはつるなし種に比べて高温にやや強いため、種まきの時期は4月下旬から5月下旬までと広めに設定できます。5月上旬にまいた場合は、7月上旬から約1か月間、収穫が見込めます。

ただし、25℃を超えるような高温期に開花を迎えると、花が落ちやすくなるため注意が必要です。花が咲いても実にならない「落花」や「着莢不良」の原因となるため、気温が高くなりすぎる前に開花期を迎えられるよう逆算して播種時期を決めることが大切です。

このように考えると、つるありインゲンの種まきに最も適した時期は、安定した暖かさがありつつ、真夏の高温がまだ到達していない春~初夏が最適といえます。

また、つるあり種は成長力が強く、支柱やネットを使った仕立てが必要です。支柱を立てる時期を見誤らないよう、生育のステージに応じて早めの準備をしておきましょう。

インゲンの種まきは8月でも間に合う?抑制栽培のコツ

インゲンは8月に種をまく「抑制栽培」も可能ですが、品種と管理方法によって成功の可否が大きく変わります。特につるなし品種を選ぶことが成功のポイントです。

つるなしインゲンは早生で、播種から収穫までが約55〜65日と短いため、8月中に種をまけば、寒さが本格化する前の10月中旬〜下旬までに収穫が間に合います。

ただし、8月は気温が高く乾燥しやすい季節です。この時期の種まきでは、発芽率の低下や生育初期の水分不足に特に注意が必要です。土壌が乾きやすいので、播種後すぐにマルチを施して保湿と地温の安定化を図るのが有効です。

また、8月播きでは栽培後半に低温や霜のリスクが高まります。このため、発芽後はしっかりと根を張らせ、早めに成長させておくことが重要です。元肥はしっかり施し、生育が鈍らないよう育てましょう。

このように、8月の種まきは適切な環境と管理を整えれば十分対応できます。逆に言えば、対策を怠ると発芽不良や収穫遅れを招くリスクもあるため、抑制栽培の基本を押さえたうえで取り組むことが必要です。

地域と栽培法で変わる いんげんの種まき時期

地域と栽培法で変わる いんげんの種まき時期
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  • つるありインゲンの栽培時期と収穫の流れ
  • つるありインゲンの摘心のタイミングとは?
  • 高温期の播種で注意すべき着莢不良
  • 春・夏・秋それぞれの作型と種まき計画
  • つるなし・つるあり別の播種方法と株間
  • 育苗と直播きの使い分けとその利点
  • いんげんの種まき時期に関する基本まとめ

つるありインゲンの栽培時期と収穫の流れ

つるありインゲンの栽培は、春から夏にかけての温暖な時期に行うのが一般的です。地域によって若干差はあるものの、4月下旬から5月下旬までに種をまくと、7月上旬頃から収穫が始まります。

つるあり種は生育期間が長く、1度の種まきで約1か月〜2か月の収穫が期待できます。開花から約10〜15日でサヤが育つため、花が咲き始めたら収穫までのスケジュールを逆算して準備を進めると良いでしょう。

収穫は、サヤが12〜15cm程度に育ち、中の種子がふくらみすぎる前が適期です。とり遅れるとサヤがかたくなり、食味が落ちてしまいます。また、収穫の間隔が空きすぎると株の体力が消耗し、全体の収量にも悪影響を及ぼします。

さらに、つるありインゲンは生育が旺盛なため、支柱やネットを活用した誘引作業も欠かせません。ツルが伸び始める本葉5~6枚の時期には支柱立てを済ませておくことが大切です。

こうして管理を続けることで、収穫期間が安定し、家庭菜園でも満足のいく収量を確保できます。

つるありインゲンの摘心のタイミングとは?

つるありインゲンの摘心(てきしん)は、つるが支柱の先端に届いたときに行うのが基本です。この作業は、主枝の成長を止めて側枝の発生を促すために行われます。

摘心を行うことで、ツルが必要以上に伸びるのを防ぎ、葉が密集して日光が入りにくくなる「つるボケ」や、管理しにくくなる状態を避けることができます。特にインゲンは日光をしっかり浴びることで着莢が促進されるため、適度に風通しと採光を確保することが重要です。

具体的には、ツルが1.5〜2mほどに達し、支柱やネットの最上部に近づいたタイミングが摘心の目安です。この時点で主枝の先端を切ることで、バランス良く側枝が伸びてきます。側枝についても、伸びすぎた場合は同じように摘心を行うと管理がしやすくなります。

ただし、早すぎる摘心は草勢の低下や収量減につながるおそれがあるため、必ず支柱の高さとつるの長さを見極めてから作業を行いましょう。

このように、摘心のタイミングを正しく見極めることで、健全な株の維持と安定した収穫が実現します。

高温期の播種で注意すべき着莢不良

高温期にインゲンを播種する際は、開花時の気温に特に注意が必要です。なぜなら、25℃を超えるような高温環境では、花粉の働きが弱まり、受粉がうまくいかずに着莢(実がつくこと)しにくくなるからです。

着莢不良の兆候としては、花が咲いた後にサヤができずにそのまま落ちる「落花」や、曲がった莢・小さな莢が多くなるといった状態が見られます。これらは、高温による花粉の死滅や、日中と夜間の温度差が少ないことによるストレスが原因です。

このようなリスクを避けるには、開花時期が真夏にかからないように播種のタイミングを調整することが大切です。例えば、つるなしインゲンを育てる場合、7月中旬以降の種まきは避け、逆算して6月中旬ごろまでに播種を終えるようにすると効果的です。

また、抑制栽培に挑戦する際は、開花期に向けて水分管理を徹底することが重要です。乾燥が続くと余計に着莢率が下がるため、土壌の保湿とマルチングの活用を検討するとよいでしょう。

こうした対策を講じれば、高温期でもある程度の収穫は期待できますが、無理に真夏の開花を迎える作型は避けるのが賢明です。

春・夏・秋それぞれの作型と種まき計画

インゲンは、年間を通じて春・夏・秋の3期で栽培できる作物です。それぞれの作型によって適切な種まき時期や育て方が異なるため、事前の計画が欠かせません。

春作では、4月下旬から5月上旬の播種が一般的です。この時期に種をまけば、6月中旬から7月にかけて収穫が可能となり、気温も安定しているため初めての方にも適しています。主に露地栽培で行われ、つるあり・つるなしどちらの品種も選べます。

夏の作型では、いわゆる「抑制栽培」に分類されます。7月上旬から8月上旬に種をまき、9月〜10月に収穫するスタイルです。ただし、高温や乾燥への対策が必須であり、つるなし品種を選ぶと育てやすくなります。発芽後の初期管理が成功のカギとなります。

秋作は少し特殊で、気温が下がりすぎる前に収穫を終える必要があります。このため、冷涼地を除けば秋作は難易度が高めです。播種のタイミングが遅れると、低温による生育不良や収穫前の霜被害を受けやすくなるため、注意が必要です。

このように、インゲンは気温や地域に応じて複数回の栽培が可能ですが、それぞれの作型に適した種まき時期を押さえることが成功への第一歩です。育てやすさを重視するなら、春まきがおすすめですが、経験を積んだ後は夏・秋作にもぜひ挑戦してみてください。

つるなし・つるあり別の播種方法と株間

つるなし・つるあり別の播種方法と株間
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インゲンの栽培では、つるなし・つるありの品種によって播種方法や株間の取り方が異なるため、それぞれに適した管理を行うことが重要です。

まず、つるなしインゲンは草丈が低く、支柱が不要なため省スペースでの栽培が可能です。一般的な播種方法は、1か所に3〜4粒ずつまき、本葉が2枚程度出た段階で1〜2本に間引きます。株間は25〜30cmが目安で、条間を約25cmあけて2条植えにするのが標準的です。畝幅は約75cmが適しています。

一方、つるありインゲンは長くつるが伸びるため、広めのスペースと支柱やネットが必要です。こちらも1か所に3〜4粒ずつまき、発芽後に間引きをして1〜2本立ちにします。株間は30〜40cm、条間は広くとり、1条植えであれば畝幅は100〜120cm、2条植えの場合は180〜200cm程度が理想的です。

このように、品種によって植え方に差があるのは、根の張り方や草丈、生育スペースの必要性が違うためです。狭すぎる株間では風通しが悪くなり、病害のリスクも高まります。逆に広すぎると畑の効率が下がるため、適切な間隔を保つことが健康な育成と高収量につながります

育苗と直播きの使い分けとその利点

インゲンの栽培では、「育苗(ポットまき)」と「直播き(じかまき)」のどちらも可能ですが、それぞれに向き・不向きがあります。目的や栽培環境に応じて、使い分けることで発芽率や作業効率を高めることができます。

直播きは、発芽適温(23〜25℃)に達した暖かい時期であれば、手間が少なく効率的な方法です。広い畑ではとくに作業がスムーズに進みます。ただし、発芽までに鳥や虫にタネを食べられてしまうリスクがあり、気温が安定しない時期には不向きです。

一方、育苗はポットに種をまき、温度管理のできる場所で育てる方法です。種まき後、20日ほどで本葉が出たら定植できます。鳥害の心配が少なく、寒い時期や発芽が不安定な環境でも安定した育成ができる点が大きな利点です。また、ある程度育ってから畑に植えることで、雑草の競合に負けにくくなるというメリットもあります。

ただし、育苗には手間がかかり、定植時には根鉢を崩さないように注意が必要です。根を傷つけると生育不良を起こしやすくなるため、作業に慣れていない方には少し難易度が上がるかもしれません。

このように、育苗は確実な発芽と初期生育の安定を目指す場合に適しており、直播きは暖かい時期に手軽に始めたい場合に向いています。栽培する時期や自分の作業スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。

いんげんの種まき時期に関する基本まとめ

  • つるなしインゲンの種まきは4月中旬〜6月上旬が目安
  • 地温が15℃以上になってから播種を開始するのが望ましい
  • 3月に種まきする場合は加温育苗が必要
  • 発芽適温は23〜25℃で、外気温だけでなく地温も重要
  • つるありインゲンは4月下旬〜5月下旬の播種が適している
  • 開花期に25℃を超えると着莢不良が起きやすくなる
  • 高温期の播種は、開花時期を真夏に重ねないよう調整する
  • 8月播きではつるなしインゲンが適しており抑制栽培向き
  • 抑制栽培ではマルチを使い保湿・地温確保を行う
  • 栽培後半の低温や霜に備えて早めに成長させる工夫が必要
  • つるあり種は支柱やネットを用意し、早めの設置が重要
  • つるの摘心は支柱の先端に達したタイミングで行う
  • 春・夏・秋それぞれの作型に適した播種時期がある
  • 品種ごとに株間や条間などの栽培スペースが異なる
  • 育苗は安定した発芽が期待でき、直播きは手軽で省力的

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