きゅうりの育て方と摘芯のコツ|初心者も失敗しない方法

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きゅうりの育て方と摘芯のコツ|初心者も失敗しない方法

夏の家庭菜園で人気のきゅうりですが、その育て方で特に多くの人が悩むのが摘芯ではないでしょうか。

初心者の方にとっては、次々と伸びるわき芽をどう扱えば良いのか、またプランターでの栽培ではどのように管理すべきか、疑問が多いものです。適切な摘芯は、収穫量を増やすために欠かせない作業ですが、やり方を間違えると株が弱る原因にもなりかねません。

この記事では、きゅうりの育て方における摘芯の基本から応用まで、わかりやすく解説します。

  • きゅうりの摘芯を行う目的と具体的なメリット
  • 親づる・子づる・孫づるの正しい摘芯方法と手順
  • あえて摘心しない「つる下ろし栽培」という選択肢
  • 収穫量を増やすための整枝や管理のコツ

基本的なきゅうりの育て方と摘芯の目的

基本的なきゅうりの育て方と摘芯の目的
おーしん菜園
  • 初心者もわかる摘心の重要性
  • 収穫量アップにつながる摘心の仕方
  • 整枝に欠かせないわき芽かきの方法
  • 病気を防ぐための葉っぱの切り方
  • プランター栽培における摘心のコツ

初心者もわかる摘心の重要性

きゅうりの栽培において、摘心は株を健康に保ち、収穫量を最大化するために非常に大切な作業です。もし摘心をせず放任してしまうと、つるや葉が 四方八方に伸びて密集してしまいます。こうなると、株全体の風通しが悪くなり、湿気がこもって病気の発生原因となるのです。特に、うどんこ病やべと病は多湿な環境を好みます。

また、株の栄養が新しい葉や不要なつるの成長に分散されてしまい、本来栄養を集中させたい実の生育が遅れてしまいます。結果として、収穫できるきゅうりの数が減ったり、形が悪いものが増えたりする可能性が高まります。

一方で、適切な摘心を行うことで、これらの問題を解消できます。株の内部まで日光が均等に当たるようになり、光合成が活発になります。そして、栄養を効率良く実に送り込むことができるため、品質の良いきゅうりをたくさん、そして長く収穫し続けることが可能になるのです。初心者の方には少し難しく感じられるかもしれませんが、株の成長をコントロールする重要な工程だと理解することが、栽培成功への第一歩となります。

収穫量アップにつながる摘心の仕方

収穫量アップにつながる摘心の仕方
おーしん菜園

きゅうりの摘心は、株の成長段階に合わせて適切な位置で行うことが収穫量アップの鍵を握ります。摘心は基本的に手で簡単に行えますが、茎が硬くなっている場合は清潔なハサミを使いましょう。

まず、親づる(主枝)の摘心は、支柱の高さ(約1.8m)に達した頃が目安です。これは、おおよそ25節から30節程度に成長した段階にあたります。これ以上高く伸ばすと、管理や収穫作業が困難になるため、自分の目の高さくらいで先端を摘み取ります。こうすることで、上への成長を止め、栄養を子づるや孫づる、そして果実の肥大に集中させられるのです。

子づるや孫づるの摘心も同様に重要です。株元から数えて5~6節目までの子づるは、株の初期成長を促すために、雌花と合わせて全て摘み取ります。それより上の子づるや、そこから発生する孫づるについては、葉を1~2枚残してその先を摘み取るのが基本です。この作業により、枝葉が込み合うのを防ぎ、栄養を効率的に実に回すことができます。

スクロールできます
節(つるの位置)作業内容目的
親づる(主枝)支柱の高さ(約1.8m / 25~30節)で先端を摘心する上への成長を止め、株全体の栄養を実に集中させる
子づる(1~5節)発生した子づる、雌花を全て摘み取る株の初期成長を優先し、根張りを良くする
子づる(6~10節)葉を1枚残してその先を摘心する株の負担を減らしつつ、収穫数を確保する
子づる(11節以降)葉を2枚残してその先を摘心する収穫量を最大化する
孫づる葉を1~2枚残してその先を摘心する(込み合う場合)風通しと日当たりを確保し、病気を予防する

整枝に欠かせないわき芽かきの方法

わき芽かきは、摘心と並行して行うべき重要な整枝作業の一つです。わき芽とは、主枝の葉の付け根から新たに出てくる芽(子づる)のことを指します。これを放置すると、そこからつるが伸びて葉が茂り、いわゆるジャングル状態になってしまいます。

特に、株元から数えて5~6節目までに出るわき芽は、株がまだ小さいうちに、見つけ次第すべて取り除くことが推奨されます。なぜなら、この段階でわき芽を伸ばしてしまうと、苗が根をしっかり張るための栄養が奪われてしまうからです。初期のわき芽かきを徹底することで、まず株全体の骨格を頑丈に育てられます。

わき芽は、指でつまんで軽くひねるだけで簡単に取ることができます。作業は、病気の感染を防ぐためにも、よく晴れた日の午前中に行うのが理想的です。手で取るのが難しいほど成長してしまった場合は、清潔なハサミで切り取ってください。

この作業を怠ると、栄養が分散して実が大きくならなかったり、風通しが悪化して病害虫の温床になったりします。逆に、適切にわき芽を管理することで、主枝や残した子づるに栄養が集中し、結果として質の良いきゅうりの収穫につながるのです。

病気を防ぐための葉っぱの切り方

きゅうりの健康を維持し、病気の発生を防ぐためには、摘心や整枝と合わせて「葉かき」と呼ばれる葉の管理が不可欠です。葉が密集しすぎると、風通しや日当たりが悪くなり、病原菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。

葉かきで主に取り除くべきなのは、下の方にある黄色く変色した古い葉や、病気の兆候が見られる葉です。これらの葉は光合成の能力が低下しているだけでなく、病気の発生源となることが多いです。見つけたら早めにハサミで切り取り、畑の外に持ち出して処分しましょう。

また、他の葉と重なり合って影を作っている大きな葉も、整理の対象となります。重なっている部分の葉を切り取ることで、株の内部まで日光が届くようになり、新しい芽や実に光が当たりやすくなります。

ただし、一度に多くの葉を取りすぎると、株全体の光合成能力が低下し、かえって生育を弱らせてしまうので注意が必要です。一度の作業で取り除くのは、1株あたり2~3枚程度に留めましょう。少し離れた場所から株全体を眺めて、つるの上下にわたって葉がバランス良く配置されている状態が理想的です。

プランター栽培における摘心の注意点

プランターでキュウリを栽培する場合も、摘心は収穫量を確保するために欠かせない作業です。地植えと比べてスペースや土の量が限られているため、より丁寧な管理が求められます。

プランター栽培では、養分が限られていることが最大のポイントです。摘心をせずに放置すると、限られた栄養が葉や茎の成長ばかりに使われてしまい、実を育てるためのエネルギーが不足しがちになります。そのため、地植えの場合よりも厳密に整枝を行い、栄養を実に集中させることが大切です。

基本的な摘心方法は地植えと同じですが、特に株元近くの管理が重要になります。プランター内は株が密集しやすく、下葉が蒸れて病気になりやすいです。株元から5~6節目までの子づるや雌花は早めに全て取り除き、風通しを最大限に確保してください。

また、プランターは土が乾燥しやすいため、水切れと肥料切れにも注意が必要です。摘心で株の形を整えるのと同時に、水やりや追肥を適切に行うことで、限られた環境の中でもたくさんのきゅうりを収穫することが可能になります。

収量を上げるきゅうりの育て方と摘芯のコツ

収量を上げるきゅうりの育て方と摘芯のコツ
おーしん菜園
  • 親づるの摘心手順をわかりやすく解説
  • あえて親づるを摘心しない栽培法
  • 最初の3本は若採りする摘果の理由
  • たくさん収穫するための追肥と水やり
  • 曲がりきゅうりを防ぐ管理のポイント
  • まとめ:最適なきゅうり育て方と摘芯

親づるの摘心手順をわかりやすく解説

親づるの摘心は、きゅうりの栽培における一つのクライマックスとも言える作業です。この手順を正しく行うことで、その後の収穫量に大きな影響を与えます。

最適なタイミングは、親づる(最初に伸びる一番太い茎)が、設置した支柱の最上部、あるいは自分の目の高さ程度(約1.5m~1.8m)に達したときです。節の数で言うと、25節から30節あたりが目安となります。これ以上伸ばしてしまうと、収穫や他の管理作業がしにくくなるため、この高さを一つの区切りと考えるのが合理的です。

手順は非常にシンプルです。親づるの先端にある、これから新しく伸びようとしている芽(生長点)を、指でつまんで摘み取るか、清潔なハサミで切り取ります。適切な場所であれば、ポキッと簡単に折れるはずです。

この作業により、親づるの縦方向への成長が止まります。すると、植物は成長のエネルギーを別の場所に向けるようになり、それまで抑えられていた子づるや孫づるの発生が活発になります。そして、それぞれのつるにつく雌花や果実へ栄養が効率よく供給されるようになり、結果として収穫できるきゅうりの総数が増加するのです。必ず行うようにしましょう。

あえて親づるを摘心しない栽培法

これまで説明してきた摘心は一般的な栽培方法ですが、実は親づるを摘心しない「つる下ろし栽培」という高度な技術も存在します。これは、特に長期間にわたって収穫を続けたいプロの農家などが用いる方法です。

つる下ろし栽培では、親づるを摘心せずに伸ばし続け、支柱の高さを超えたら、つるを固定している紐やクリップをずらし、株元でとぐろを巻くように下へ誘引していきます。こうすることで、常に株の上部で元気な若い葉が光合成を行い、長期間にわたって安定した収穫を目指します。下の方の古い葉や実を収穫し終えたつるは、地面に下ろしていくのです。

この方法のメリットは、一つの株から非常に長い期間、収穫を続けられる点にあります。しかし、デメリットや注意点も少なくありません。つるを傷つけずに下ろすには技術が必要ですし、病気になった葉をこまめに取り除くなど、より徹底した管理が求められます。

つる下ろし栽培では元々、葉っぱの枚数が少ないため病気になってしまったら葉っぱが足らなくなって最悪、雄花ばかりで実が付かない状態になってしまうため初心者向きではないと思います。

家庭菜園でこの方法に挑戦する場合は、まず基本的な摘心栽培をマスターしてからの方が良いかもしれません。もし試すのであれば、つるを曲げる際に折ってしまわないよう、慎重に作業することが最も大切です。

最初の3本は若採りする摘果の理由

最初の3本は若採りする摘果の理由
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きゅうりの実がなり始めた時、喜びのあまり大きく育ててから収穫したいと感じるかもしれません。しかし、株を疲れさせず、結果的に長く多くの実を収穫するためには、最初の数本をあえて小さいうちに収穫する「摘果(てきか)」または「若採り」という作業が効果的です。

具体的には、実がなり始めてから最初の2本から3本については、長さが15cm程度の若いうちに収穫します。なぜなら、植え付けから間もない若い株にとって、実を成熟させるのは非常に大きなエネルギーを必要とするからです。最初にできた実に全ての栄養を集中させてしまうと、株自体が疲弊してしまい、その後の成長が鈍化してしまうことがあります。

いわば、最初の実は株にとっての「体力測定」のようなものです。ここで無理をさせず、早めに収穫してあげることで、株は根を張ったり、新しい葉を展開させたりといった、自身の体を大きくするためのエネルギーを温存できます。

この一手間によって株の消耗が軽減され、長期的に見て安定した収穫につながります。もったいないと感じるかもしれませんが、将来の豊かな収穫への投資だと考え、ぜひ実践してみてください。

たくさん収穫するための追肥と水やり

きゅうりはその成分の95%以上が水分で構成されており、「きゅうりは水で育つ」と言われるほど、生育期間中はたくさんの水分と肥料を必要とします。特に、摘心や整枝で株の形を整えた後は、実を次々とつけるための栄養補給が欠かせません。

追肥は、収穫が始まった頃から定期的に行うのが基本です。10日から15日に1回のペースで、化成肥料を1株あたり10g程度、株元から少し離れた場所にパラパラとまき、軽く土と混ぜ合わせます。肥料が切れると、実の成長が悪くなったり、曲がりきゅうりの原因になったりします。

同様に、水やりも非常に重要です。特にプランター栽培や、晴天が続く夏場は土が乾燥しやすいため、水切れに注意が必要です。土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えてください。地植えの場合でも、乾燥が続くようであれば、朝や夕方の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。

適切な追肥と水やりを続けることで、株は健康な状態を保ち、まっすぐで美味しいきゅうりを次々と実らせてくれます。

曲がりきゅうりを防ぐ管理のポイント

家庭菜園できゅうりを育てていると、実がまっすぐ伸びずに曲がってしまうことがあります。これは、きゅうりの株が何らかのストレスを感じているサインです。曲がりきゅうりを防ぐためには、その原因を知り、適切な管理を行うことが大切です。

最も多い原因は、前述の通り、水分不足や肥料不足です。きゅうりの果実が急速に成長する時期に、水や栄養が足りないと、成長が不均一になり曲がってしまいます。定期的な水やりと、生育の様子を見ながらの追肥を心がけることが、まっすぐなきゅうりを育てる基本となります。

また、日照不足も原因の一つです。葉が茂りすぎて実に日光が当たらないと、光合成が十分に行われず、生育不良を引き起こします。適切な摘心や葉かきを行い、株全体の風通しと日当たりを良好に保つことが、間接的に曲がりきゅうりの予防につながるのです。

その他、受粉がうまくいかなかった場合にも形が歪になることがあります。特に、プランターをベランダの奥まった場所などに置いていると、虫が寄り付きにくく受粉の機会が減る場合があります。確実に実をつけたい場合は、雌花の先に雄花の花粉を人工的に付けてあげる(人工授粉)のも一つの方法です。

まとめ:最適なきゅうり育て方と摘芯

この記事では、きゅうりの育て方、特に収穫量を左右する摘心について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きで振り返ります。

  • きゅうりの摘心は収穫量を増やし病気を防ぐために必須の作業
  • 摘心をしないと葉が茂りすぎ日当たりや風通しが悪化する
  • 親づるは支柱の高さ(約1.8m)に達したら先端を摘み取る
  • 株元の5~6節目までの子づるや雌花は全て取り除く
  • 6~10節目の子づるは葉を1枚残して摘心する
  • 11節目以降の子づるは葉を2枚残して摘心する
  • わき芽かきは摘心と並行して行う重要な整枝作業
  • プランター栽培では養分が限られるためより丁寧な摘心が求められる
  • 古い葉や病気の葉を取り除く葉かきも定期的に行う
  • 親づるを摘心しない「つる下ろし栽培」という上級者向けの方法もある
  • 最初の2~3本のきゅうりは若採りして株の消耗を防ぐ
  • 曲がりきゅうりの主な原因は水分不足と肥料不足
  • 収穫が始まったら10日~15日に1回のペースで追肥を行う
  • 夏場やプランターでは水切れに特に注意する
  • 適切な管理で美味しいきゅうりを長く収穫できる
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この記事を書いた人

おーしんです。
自宅の庭で3坪ほどの小さな畑で野菜を作って楽しんでいる58歳。
家庭菜園ならではの役立つ情報を発信するのでよろしくお願いします。

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